鉄分の種類!ヘム鉄、非ヘム鉄、キレート鉄の違い
最終更新日:2023-09-15
貧血の予防と緩和に欠かせない鉄分。「ヘム鉄」や「非ヘム鉄」、「キレート鉄」など、耳にしたことはあるけど違いがよくわからない、どれを選べばいいのか迷っている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、鉄の働きや、鉄分を取り入れる際に役立つ、ヘム鉄・非ヘム鉄・キレート鉄の違いについて詳しくご紹介します。


動画でもご紹介しています
実は、貧血の約90%が体内の鉄不足によるものと言われています。
サプー公式Youtubeでも、鉄分を摂取する際に役立つ鉄サプリの基礎知識として「ヘム鉄・非ヘム鉄・キレート鉄の違い」についてご紹介しています!
ぜひチェックしてみてください♪
1.そもそも鉄分とは?


鉄分は、私たちのカラダに欠かせない5大栄養素“ミネラル”のひとつで、私たちの体内に約3~5gあるといわれています。
体内に存在する2つの鉄


私たちの体内に存在する鉄分のうち、と呼ばれ、タンパク質と結びついて血液中のヘモグロビンの構成成分となり酸素を体のすみずみまで運ぶという重要な役割を果たしています。
また、筋肉内に存在し、血液中の酸素を筋肉中に取り込む働きをしています。その他にもコラーゲンの生成、骨や皮膚、粘膜の代謝に働くなど重要な役割をしています。
残りの30%は、「貯蔵鉄(フェリチン鉄)」として肝臓や脾臓などに蓄えられ、体内で利用できる鉄が足りなくなると使われます。
鉄はきわめて吸収率が低い性質を持つので、野菜中心の鉄が摂りにくい生活をしている方や、成長期の子供も鉄が不足しがちだと言われています。
2.鉄不足になると…?


鉄の代表的な欠乏症は貧血です。貧血の90%は鉄が欠乏することが原因で起こります。
体内の鉄が不足すると、まず体内に蓄えられている「貯蔵鉄(フェリチン鉄)」が減っていきます。この状態では、血液中の鉄は貯蔵鉄の補充によって満たされるため、目立った貧血症状はありません。
貯蔵鉄を使いきると、血液中の鉄が徐々に不足し「貧血」となります。つまり、貧血症状が出た時点で、体内の鉄不足はかなり進んでいる可能性があります。
また、その他にも、運動機能や認知機能の低下、体温が保てなくなることによる免疫機能の低下といった症状が出る場合があります。
鉄の役割は様々な場所に及ぶため、美容面でも影響があります。例えば、シミの原因であるメラニンを分解する酵素にも鉄が必要なため、鉄不足によってシミができやすくなることもあるのです。
鉄分が不足しやすい方
女性
女性は月経により鉄不足に陥りやすいことはよく知られています。貧血の種類はたくさんあり、原因によっていくつかに分けられますが、月経のある女性のほとんどの場合は「鉄欠乏性貧血」です。女性は日ごろから積極的に鉄を取り入れることがすすめられています。
めまいなどの貧血の症状が出る場合もありますが、かくれ貧血で慢性的に鉄が不足している方も多いと言われています。疲れやすかったり、肩こりが激しい、落ち込みやすいと感じている方は、「かくれ貧血」かもしれません。
鉄分不足は女性ホルモンの合成などにもかかわっているため、妊活中の方は特に意識しておきましょう。
妊娠中の女性
妊娠中は月経による鉄の排出量は減りますが、赤ちゃんを発育させるために必要量が増えます。妊娠中の貧血は、重度になると赤ちゃんの発育不全や早産の原因となります。
また、産後の体力の回復の遅れや産後うつとの関連も明らかになっているため、意識して摂る必要があります。
成長期の子供
体が大きく成長する思春期にも、血液や筋肉の増加とともに鉄が必要になります。また、女性は月経が始まることで、鉄分不足に陥りやすいと言われます。
スポーツをする人
スポーツ時に受ける衝撃や発汗などによって鉄の損失が起こるため、スポーツ選手も貧血が起こりやすいと言われます。
特に酸素の必要量が多い水泳は、鉄を多く必要とするため鉄不足に陥りやすいスポーツです。貧血になると運動機能も低下するため、しっかりと補うようにしましょう。
3.鉄の推奨摂取量
個人差がありますが、成人男性では約1mg、女性では約0.8mgの鉄が1日に損失していると言われています。さらに女性は月経期間中、1日あたりに換算してさらに約0.5mgの鉄が損失しています。この損失量や吸収率をもとに、推奨摂取量が定められています。


上の表*のとおり、鉄の一日の推奨量は、成人の場合男女ともに約7~10mg程度の鉄の摂取が適当とされています。特に、妊娠中や授乳中、生理が定期的にある年代の女性は、さらに多くの鉄分の摂取が推奨されています。
十分な鉄分を摂取するには、日ごろから意識してバランスの良い食事を心がけることが大切ですが、なかなか難しいもの。そんなときは、鉄分サプリメントの活用もおすすめです。
4.「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の特徴と違い


食品中に含まれる鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分けられます。
ヘム鉄
・肉類など動物性食品に多く含まれる
・吸収率は約30%
非ヘム鉄
・野菜などの植物性食品や卵・乳製品に多く含まれる
・吸収率は約7%
ヘム鉄は、牛肉やレバーなどの動物性の食べ物に多く含まれる鉄分のこと。
非ヘム鉄は、海藻類やほうれん草、大豆に多く含まれる、ヘム鉄以外の無機鉄のことを指します。日本人が食事から摂取する鉄の85%は非ヘム鉄と言われています。
全体的に鉄分は吸収率が低いミネラルですが、このうち比較的吸収率が高いのは「へム鉄」で、その割合はおよそ30%。これに対し、「非へム鉄」は約7%程度しか吸収されません。
非ヘム鉄と比べてヘム鉄の方が、食物繊維やタンニンの影響で吸収阻害がされにくいため、吸収率が高く、またサプリとして飲んだ際に胃がもたれにくいとされています。
鉄分サプリメント


鉄分サプリメントでも、ヘム鉄と非ヘム鉄のものがあり、非ヘム鉄のサプリは比較的安価で購入できるので人気です。また、日本の妊活サプリでは、ヘム鉄に葉酸やビタミンB12をプラスしたサプリメントが主流です。
そのほか、効率よく鉄分を吸収したい方の中では、非ヘム鉄の吸収を高めた「キレート鉄」の鉄分サプリも注目を集めています。
5.「キレート鉄」とは


キレート鉄は、「キレート加工」された非ヘム鉄のこと。「キレート加工」とは、非ヘム鉄にアミノ酸やクエン酸を結合し、吸収率を高める加工で、キレート鉄は比較的新しい成分です。
キレート鉄は、アメリカのサプリメントでも人気の成分で、吸収経路がヘム鉄や非ヘム鉄と異なり、吸収率がとても高いので、効率的に鉄分を摂り入れたい方に人気です。
アメリカの鉄分サプリでは、フェロケル(Ferrochel)という名前で、ビスグリシン酸鉄由来のキレート鉄が含有されているものが有名です。
ただし、吸収性が高いため、摂り入れる際は摂取量などに気をつけるようにしましょう。
6.鉄分を上手く摂取するコツ


ビタミンCなどと一緒に摂る
十分な鉄分を摂取するには、吸収率の高いヘム鉄を多く含んだ食べ物を毎日とれるのが理想ですが、そればかり食べていては栄養のバランスが偏ってしまい、便秘など他の健康トラブルの原因となります。
非へム鉄を含む食品やサプリメントでも、動物性タンパク質やビタミンC、クエン酸を一緒に摂ると吸収率の悪さをカバーすることができるのでおすすめです。
ビタミンCが豊富な緑黄色野菜や、酸味の強い柑橘類などを一緒に摂るのがおすすめです。
よく噛んで食べる
また、鉄は胃酸が分泌されると吸収されやすくなります。よく噛んで食べることで胃酸の分泌を促すと、鉄の吸収率が高まることが期待できます。
一方、穀物に含まれるフィチン酸、食物繊維、コーヒーやお茶に含まれるタンニン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸は、非ヘム鉄の吸収を阻害してしまいます。
日本人の食生活では、こうした阻害因子を口にすることも多いので、一緒に摂る食品も意識して鉄をとるよう心がけると、より効率よく鉄の摂取ができます。
7.鉄を摂るときの注意


鉄は体内での吸収率が低く、通常の食事ではとりすぎることはほとんどありません。
しかし、サプリメントなどで長期間過剰に取り続けると、嘔吐や便秘、不整脈、心筋障害、亜鉛の吸収阻害などの過剰症状や、肝臓に障害が起こって鉄沈着が起きたり、肝硬変や肝ガンが起こる場合があります。
推奨量をご確認の上、鉄サプリメントを使用する場合は必ず用法を守ってご使用ください。
※アメリカのサプリメントは、アメリカの基準をもとに製造されているため、日本の推奨摂取量を超える場合があります。
またお子様は、鉄剤や鉄サプリメントの誤飲により、致命的な中毒症状をもたらすことがあります。必ずお子様の手の届かない場所で保管してください。
8.まとめ
今回は、鉄分の働きや、「ヘム鉄」「非ヘム鉄」「キレート鉄」といった3つの鉄分の違いについてご紹介しました。鉄分は、私たちのカラダを健康に保つために必要な成分です。
特に、鉄欠乏性貧血が気になる方は、「ヘム鉄」や「非ヘム鉄」といった鉄分の種類、そしてその他の栄養素を意識して、食事バランスやサプリメントの種類などの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。