酵素の力!「パパイン」と「ブロメライン」の違いと効果とは
最終更新日:2023-09-20
日本でも、人気の酵素「パパイン」と「ブロメライン」。一口に“酵素”といっても、実はそれぞれの酵素の働きには明確な違いがあります。今回は、パパイン酵素とブロメライン酵素の違いについてご紹介します。


動画でもご紹介しています
洗顔やサプリメント、脱毛クリームなどでおなじみのパパイン酵素・パパインやパイナップル酵素・ブロメライン。
サプー公式Youtubeでも、2つの人気の天然酵素パパインとブロメラインの働きと違いについてご紹介しています!ぜひチェックしてみてください♪
1.パパインとは


パパインとは、中南米原産の熟していない青パパイヤや、パパイヤの葉に含まれる酵素のひとつ。パパイヤ酵素とも呼ばれています。
パパインは青パパイヤが黄色く熟すために存在する成分と言われ、青パパイヤを切るとパパインを含む白い液体が出てきます。ここから、サプリなど栄養補助食品に含まれるパパイン酵素が抽出されます。
パパイン酵素の特徴は、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼなどの 消化酵素を含み、生きているタンパク質には作用せず、死んだタンパク質や脂質に対する分解能力が高いことです。
また、パパインをはじめ、似た作用を持つブロメラインを中心としたタンパク質酵素は、体内での消化・分解の能力も高く、胃もたれや食べ過ぎ、飲みすぎの不快感への働きかけにも期待されています。
2.パパイン酵素の効果


ここでは、パパイン酵素(パパイヤ酵素)の働きをご紹介します。
■ 消化促進
パパイン酵素は、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼなどの消化酵素を含み、消化・吸収を促進します。生きているたんぱく質には作用せず、死んでいるたんぱく質や脂肪に働くのがパパインの特徴です。
■ 抗酸化力
心身ストレスなどの原因により日々体内で産生される活性酸素は、体の老化のもととなります。
活性酸素は、肌や体を老化させるだけでなく、体の不調や疾病など様々な身体トラブルの原因になると言われています。
パパイン酵素は、この活性酸素を除去する抗酸化成分としても期待されています。パパインがヘルスケアサプリや、健康維持の酵素として親しまれているのは、パパインの抗酸化力によるものです。
■ 免疫向上
パパイン酵素は、免疫機能アップにも期待されています。優れた抗酸化力を持つ他、口や喉、鼻の粘膜免疫を活性化させることで、パパインは細菌やウイルスを体内に取り込みにくくしてくれると言われています。
■ 便秘改善
パパイン酵素は、消化に時間のかかる脂肪に働きかけて分解をサポートすることから、お通じ対策にも期待されています。
■ ダイエット
パパイン酵素は、古くなった細胞を分解するほかに、脂肪を燃焼しやすくしてくれるため、ちょっとした運動でも効率よく脂肪を減らすことができると、ダイエットにも人気の酵素です。
■ 生活習慣予防
パパイン酵素は、悪玉コレステロールを分解する働きがあるため、サプリなどで摂り入れることで肥満だけでなく、動脈硬化や糖尿病、脂肪肝、慢性肝炎などの生活習慣病対策にも良いと言われています。
■ 肌代謝アップ
パパイン酵素は、洗顔やスキンケアにも効果的な成分として有名です。
肌の老廃物である「古い角質」や「皮脂」はタンパク質や油脂です。パパインは不要な角質や毛穴の老廃物を取り除いてくれることから、洗顔やクレンジングなど、スキンケア製品の成分としても人気です。
また、パパインは洗顔効果のほかに、くすみ除去などにも人気を集めています。
3.ブロメラインとは


ブロメラインは、パイナップルの果実や根茎に含まれる天然酵素のひとつです。
パイナップルはアメリカ先住民によって消化器系疾患などの病気に用いられてきた植物です。
ブロメライン酵素は、人の身体にもともと存在する消化酵素でもあり、パパインと同じくタンパク質を分解する働きがあります。
ブロメラインのサプリメントは、タンパク質を分解する働きの他、鼻や副鼻腔、歯肉などの炎症緩和などにも期待されています。
ブロメラインは加熱によって酵素の働きが失われてしまうと言われていますので、ブロメラインを摂りたい場合は、生の熟しすぎていないパイナップルやサプリメントで補うことがおすすめです。
■ ゼリーとパイナップル・ブロメライン酵素


甘くジューシーなパイナップルは、ゼリーにもよく用いられます。ただ、生のパイナップルゼリーを食べたことのある方はほとんどいないのではないでしょうか?
実は、タンパク質分解酵素・ブロメラインを含む生のパイナップルではゼリーを作ることができません。
ゼリーに用いられる「ゼラチン」は動物性タンパク質でできているため、生のパイナップルに含まれるブロメラインがゼラチンを分解してしまうため、固まらないのです。
そのためパイナップルとゼラチンを同時に用いる場合は、缶詰やジャムにするなど、一度加熱処理して、ブロメラインを失活させる必要があります。
4.ブロメライン酵素の効果


■ 抗炎症
ブロメライン酵素の一部は血液中に取り込まれ、抗炎症作用を発揮すると言われています。
歯肉炎や副鼻腔炎、アトピーや花粉症などのアレルギー症状を和らげる効果、さらに手術やケガをした後の痛みや腫れの軽減、筋肉痛や関節痛の緩和にも期待がされています。
■ 消化促進
ブロメラインは、胃液の分泌を活発にしてスムーズな消化や、体に取り込まれたタンパク質の分解を助ける働きがあります。
年々、タンパク質を摂ると胃が持たれるようになったという方にも人気の成分です。
■ 胃腸機能の改善
ブロメライン酵素は、胃腸の炎症を鎮め、腸内の有害物質を分解する作用などもあると言われています。
■ 壊死組織の除去
ブロメラインは軟膏などの医薬品にも使用され、熱傷で壊死した皮膚の除去等に用いられます。
■ 脱毛抑毛効果
ブロメラインは、パイナップル酵素という名前でスキンケア商品、特に脱毛クリームや抑毛ローションなどに配合されています。
タンパク質分解酵素であるブロメラインが毛根の毛母タンパク質を分解して、ムダ毛の育成を抑制すると言われています。
* 厚生労働省-「筋骨格系の炎症に対する天然物について知っておくべき7つのこと」
5.パパインとブロメラインの違い
パパイン
特徴
・青パパイヤ由来のタンパク質分解酵素
・脂肪燃焼をサポート
・悪玉コレステロールを分解
こんな人におすすめ
・動脈硬化や糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病が気になる
・脂肪が燃焼しやすい体づくりをしたい
ブロメライン
特徴
・パイナップル由来のタンパク質分解酵素
・胃腸の調子を整えてくれる働き
・抗炎症作用がある
こんな人におすすめ
・おなかの調子を整えたい
・花粉症や鼻炎の悩みを緩和したい
6.パパインとブロメラインの摂り方
ここでは、パパイン酵素とブロメライン酵素の摂り方についてご紹介します。
手軽にパパイン、ブロメラインを補いたい場合は、サプリメントの活用もおすすめです。
■ パパイン酵素(パパイヤ酵素)


1日の摂取目安量
パパイン酵素の1日の摂取目安は45mg~135mgと言われています。
食後の摂取がおすすめ
食後の胃もたれなどを感じやすい方は、食後に舌下で溶かすチュアブルタイプのパパイン酵素サプリを取り入れることがおすすめです。
熱に強い
酵素は様々な食べ物に含まれていますが、その多くは加熱に弱いです。
しかし、青パパイヤに含まれるパパイン酵素は、100度の温度加熱や胃酸の中でも酵素活性は失われないと言われています。
パパイン酵素を食事から補いたい場合は、青パパイヤを調理して摂り入れることがおすすめです。
■ ブロメライン酵素(パイナップル酵素)


一日の摂取目安量
ブロメライン酵素を経口摂取する場合の1日の摂取目安は1g~1.5gと言われています。
食後の摂取がおすすめ
タンパク質の消化吸収サポートには、食後すぐに摂り入れていただく事がおすすめです。
アレルギーや花粉症の緩和には、1日数回に分けて食間に摂り入れることが勧められています。(※サプリメントの場合、種類によって用法は異なります)
熱に弱い
ブロメライン酵素は熱に弱いため、パイナップルの缶詰や缶ジュースで補うのは難しいと言われています。
パイナップルからブロメライン酵素を補う場合は、生か冷凍のものを食べましょう。
ただし、冷凍の場合解凍に電子レンジを使用すると同じくブロメラインが失活してしまうため、自然解凍か、スムージーの素材としての利用がおすすめです。
■ パパインやブロメラインの安全性


パパイン酵素やブロメライン酵素は、天然酵素のため安全性の高い成分と言われています。
ただ、パパイン酵素やブロメライン酵素のような分解酵素を多量摂取した場合は、喉のイガイガや胃腸の不具合などを引き起こす場合がありますので摂取量を守って活用してください。
また、パパイヤやパイナップルにそれぞれアレルギーを持つ方は注意が必要です。
7.まとめ
パパイヤ由来のパパインと、パイナップル由来のブロメラインは、同じタンパク質分解酵素でもそれぞれ体内での働きが異なります。 どちらも食品から十分に補うことが難しいため、サプリメントの利用もおすすめです。 パパインとブロメライン、それぞれの役割を理解して有効活用しましょう。