食後の眠気の原因は血圧や血糖値?
昼間に起こる眠気の対策方法
最終更新日:2022-03-07
食後に眠くなったり、だるくなったりする経験はありますか?誰でもお腹がいっぱいになると、多少の眠気は出るものですが、耐えられないくらいの睡魔に襲われる場合は、体の不調のサインかもしれません。今回は、そんな血圧や血糖値と密接な関係があると言われている食後の眠気の原因と対策方法についてご紹介します。


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寝ても寝ても昼に眠くなる原因は、体の不調のサインかも。
血圧や血糖値と密接な関係があると言われる昼間に起こる眠気の原因と対策について動画でもご紹介しています。
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1.昼間に眠くなるのはなぜ?


昼食後にしばらくして感じるような軽い眠気は、生理的なものといわれています。 日常生活に影響するほどの強い眠気が起こる場合は、原因を突き止めて生活習慣の改善に努めることがおすすめです。
日中に我慢できないほどの眠気が起こる代表的な原因は下記のようなものがあります。
必要な睡眠時間が取れていない
日本は先進国の中でも、睡眠時間が短い国の一つといわれています。少ない睡眠量が続くと、睡眠障害の一つであり、日中に強い眠気や倦怠感などを起こす睡眠不足症候群につながります。しっかり寝たら日中の眠気や疲労感が軽くなる場合は、このタイプが多いです。
睡眠リズムの乱れ
寝る時間や起床時間が毎日異なり、生活リズムが乱れていると日中に強い眠気を引き起こすことがあります。
精神的な疲労や病気
睡眠を十分にとっても抑うつ感などがあったり、眠くなってしまうという場合は、精神的なストレスが原因になっている場合も。うつ病の症状である場合もあるため、注意が必要です。
また、睡眠量や睡眠の質が一定以上保たれているにもかかわらず、日中に突然強い眠気が出たり、抗えず眠り込んでしまう場合は、過眠症のひとつであるナルコレプシーという病気の可能性もあります。
睡眠の質の低下
何らかの不調や病気が睡眠の質に影響を及ぼすことがあります。睡眠の質が悪いと寝ているのに疲れが取れず、日中に強い眠気を感じたり、起きていること難しくなってしまう場合も。
血糖異常
食後に急激に血糖が上がり下がりすることで強い眠気に襲われる場合があります。
血糖値が急降下することで、低血糖状態になり、食後に強い眠気や倦怠感を感じたりしやすくなります。
今回は、「睡眠の質の低下」「血糖異常」と深いかかわりを持つ「血圧」「血糖」と睡眠の関係についてご紹介していきます。
■ 食後の眠気は自然なもの


食事を食べると、なぜ眠くなるのか。 人が食事をとると食べ物は胃腸に運ばれ消化が始まりますが、実はこの消化と自律神経は深く関係しています。
自律神経とは、循環器、呼吸器、消化器など、生きる上で必要な体内器官の活動を自動的に調整している神経です。自律神経には、心と体を緊張させて、興奮状態、やる気に導く役割を持つ交感神経と心と体を鎮め、リラックス状態に導く役割のある副交感神経の2種類があります。
消化は、このリラックス状態に体を導く「副交感神経」がつかさどっており、多くの人は食事をするとリラックス状態となり眠気も自然と起こるといわれています。
2.血圧と眠気の関係


眠気が起こりやすいのは、低血圧の人というイメージがありますが、実は高血圧も眠気を感じる原因になります。それぞれの眠気の原因をご紹介します。
低血圧
低血圧の人に起こる眠気は、主に血流の悪さが原因として挙げられます。
低血圧は血流が悪く、脳が酸素不足になりがちです。その為、朝の目覚めがスッキリしなかったり、昼間に眠気を感じることが多いと言われています。
また、低血圧は自律神経がうまく働かず、覚醒とリラックスの切り替えをしにくいため、起きていなければいけないときに眠くなってしまう場合もあるようです。
高血圧
高血圧になると、正常な血圧の人と比べて、緊張や覚醒を司る交感神経が活発になると言われています。そのため、血圧が高い人は、就寝時であってもリラックスできず血圧も下がりにくいと言われています。就寝時にリラックス状態になりにくいため、高血圧の人は寝つきや睡眠の質が悪くなり、日中に睡魔に襲われやすい場合がります。
3.血糖値と眠気の関係


昼間の眠気は、低血糖の人や糖尿病になりやすい高血糖の人も引き起こしやすいと言われています。
低血糖
低血糖とは、血液中の“糖”が足りなくなった状態のこと。一般的に血糖値が70mg/dl以下になることを指します。体内の糖が足りなくなり低血糖になると、頭の回転が遅くなったり、眠気を引き起こします。
朝食を抜くなどの不規則な食生活をしていたり、炭水化物ダイエットなどの無理な糖質制限をすることで、低血糖になると言われています。身体を動かすために必要な糖質が足りないことで、疲労感や脱力感が抜けず、眠くなってしまいます
高血糖
食後に急激に眠くなるのは、糖質の取り過ぎによる高血糖のサインの可能性もあります。食事で摂取した炭水化物などの糖質を処理しきれず、その結果、血糖が急激に上昇してしまうことで過血糖となり、ひどい眠気やだるさを感じる場合があります。
また、沢山食べていないのにひどい眠気に襲われる場合は、血糖値の上昇を抑えられなくなる「糖尿病」の初期症状の可能性があると言われています。炭水化物を控えれば眠くならない場合は、高血糖を疑ってみてください。
4.原因別!眠気の対策方法
日中や食後は眠いからといって、寝ていい環境にいるとは限りません。
そんな時に簡単にできる対処法と、眠気を引き起こさない対策方法をご紹介しますので、眠くなった時に実践してみてください。
簡単にできる対処法


カフェインをとる
コーヒーなどのカフェインの効果を利用して、眠気を吹き飛ばしましょう。
過剰摂取には注意が必要です。
体を動かす
デスクワークなど運動不足気味の方は、昼休みに散歩に出るなど積極的に身体を動かすことを心がけてみましょう。
低血圧さんの対策方法


日光を浴びる
自律神経が乱れがちな低血圧さんは、朝に日光を浴びることで体内リズムが整いやすくなります。
ストレスケアをする
ストレスが溜まっていると、自律神経が乱れる原因となります。自分に合ったストレスケア方法を見つけましょう。
有酸素運動をする
有酸素運動をすることで、血流を良くし低血圧の症状そのものを緩和にもつながると言われています。
高血圧さんの対策方法


ミネラルやデトックス成分をとる
食物繊維やカリウム、カルシウムを多く含んだ食べ物を積極的に摂りましょう。毎日の食事で補うことが難しい場合は、サプリメントの利用もおすすめです。
睡眠の質を高める
高血圧の人の昼間の眠気は、睡眠不足によるものがほとんど。寝る前にリラックスできるよう、ラベンダーやカモミールのアロマを使ってみたり、トリプトファンを多く含む牛乳などを就寝前に活用してみてください。
低血糖さんの対策方法


朝ご飯をしっかり食べる
低血糖による眠気や倦怠感は、糖質不足によって引き起こされます。仕事前の朝食としてパンやごはんをはじめとする糖質を野菜などと一緒にしっかりとりましょう。
ブドウ糖を補給する
低血糖状態に陥ってしまったら、吸収やエネルギー代謝の早いブドウ糖を取りましょう。ハチミツや、蜂蜜入りの飴、ブドウ糖入りドリンクがおすすめです。
高血糖さんの対策方法


糖質をとりすぎない
パンや白米などの炭水化物、糖分の多い飲み物やお菓子などは、血糖値を急激に上げるため、たんぱく質や野菜を多く取って糖質を抑えるようにしましょう。
食べる順番に気を付ける
空腹時に糖質をいきなりお腹に入れると血糖値が急上昇します。まずは、消化に時間がかかる食物繊維から。野菜がない場合も、たんぱく質をパスタやお米などの炭水化物の前に食べるようにしましょう。
適度な運動
ウォーキングなどの軽い運動を習慣的に行うと糖尿病の予防に効果的と言われています。
ストレスをためない
ストレスは血圧だけでなく、血糖を上昇させます。ストレスから解放される時間づくりを心掛けてみましょう。
5.眠気におすすめのツボ3つ
中指の爪の生え際
中指の爪の生え際より2~3mm下にある「中衝(ちゅうしょう)」というツボを、深呼吸をしながら強く押します。
手の中心
こぶしを握った時に、中指と薬指が当たる手のひらの中心にある「労宮(ろうきゅう)」というツボを、もう片方の手の親指でぐりぐりと刺激します。
目頭
目頭の近くにある「清明(せいめい)」というツボを人差し指と親指で優しくつまんで引っ張るイメージで刺激します。目の粘膜や眼球を傷つけないように注意してください。
6.まとめ
昼食後に起こる軽い眠気は、自然なものと言われています。ただひどい眠気に襲われる場合は、血圧や血糖値異常のサインかもしれません。日頃の生活習慣を見直すことで改善ができる場合もありますので、自分の眠気の原因を見つけて対策法を実践してみてくださいね。また眠気がひどく、日常生活に異常をきたす場合は、なるべく早く専門医による診断を受けることがおすすめです。