体に蓄積される有害ミネラルとは?
デトックス方法&おすすめの栄養素
最終更新日:2022-04-08
有害ミネラルは、私たち日本人の食生活と密接な関係があると言われています。「風邪を引きやすく免疫力の低下が気になる」「疲れが取れにくい」そんな不調の原因も、体内に溜まった有害ミネラルが原因かも。今回は、有害ミネラルとその解毒(デトックス)方法についてご紹介します。


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1.有害ミネラルとは


有害ミネラルは、有害金属とも呼ばれ、食べ物や水中に含まれる身体にダメージを与える重金属のこと。
1900年代には各種の鉱工業が盛んになるとともに、各工場の工場排水や廃棄物などに含まれる人体に悪影響を及ぼす有害ミネラルが川や海、大気に流出し、魚などに蓄積。それを食べて体内に有害ミネラルが蓄積することで、重度の障害をおこす公害病が多発しました。
カドミウムによるイタイイタイ病、メチル水銀による水俣病や新潟水俣病、硫黄酸化物による四日市ぜんそくは、日本の4大公害病といわれています。
これをきっかけに、「ある量を超えた有害ミネラルは、一般的に生物にとって有害」という考えが世間に浸透しました。
私たちが普段生きていくうえで、有害ミネラルを取り入れないというのは難しく、有害ミネラルは、飲食や呼吸を通じて、私たちの体内に蓄積します。
特に、有害ミネラルの影響を受けているのが海産物で、マグロなど大型魚や魚介類を日常的に食べる日本人は、有害ミネラルの蓄積量が欧米人に比べて2~6倍も高いといわれています。海産物の他にも、排気ガス、タバコ、大気汚染などからも影響を受けていると言われています。
人間は体内に取り込んでしまった有害ミネラルを毛髪や爪、尿などから排出するシステムをもっているため、このような有害ミネラルは通常、解毒されて体外へと排出されますが、摂取し過ぎたり、腸内環境が乱れていると、解毒できず体内へ蓄積され、さまざまな不調を引き起こす原因になります。
海産物は、ミネラルやビタミン、必須脂肪酸(オメガ3やDHA)など体に必要な栄養素を豊富に含んでいる為、毎日の生活で避けるということはできません。
体に入ってくる有害金属などの毒素を、いかに溜め込まずに排出するかが大切です。
2.主な有害金属
主な有害金属とたくさん摂ってしまうとどうなってしまうのか、身体への影響についてご紹介します。
■ 水銀


水銀は、有機水銀と無機水銀の2つに分類されます。水俣病は、窒素肥料工場から排水されたメチル水銀(有機水銀)という物質に汚染された魚介類を食べることで発症しました。
生活環境で摂取 する有機水銀は大部分は魚介類に由来、また歯の治療で 使用するアマルガムから無機水銀 の摂取も考えられます。
・大型魚、深海魚、アマルガム(銀歯)、農薬に含まれます。
・イライラや手の震え、脱毛、動脈硬化、アトピー性皮膚炎などを引き起こすと言われています。
■ 鉛


鉛による中毒は、過去にはおしろいや有鉛ガソリンが問題となりました。昔のおしろいは鉛入りでしたが、明治時代おしろい常用していた歌舞伎役者が鉛中毒と診断され無鉛おしろいが普及したといわれています。
鉛中毒は空気中に飛び散った鉛を吸い込んだり、はがれた鉛に触れた手をなめたりすることでも発症します。
・排気ガス、水道水、白髪染め、タバコ、缶詰に含まれます。
・うつ症状や疲労感、貧血(造血を阻害するため)、子供の脳に発達障害を引き起こすと言われています。
■ カドミウム


カドミウムは石油や石炭の燃焼によって排出されます。日本4大公害病のひとつであるイタイイタイ病はカドミウムの慢性中毒によって引き起こされました。
また、喫煙者のカドミウム濃度が非喫煙 者の約2倍であったとの報告もありますので、喫煙者本人や受動喫煙の機会が多い方は注意が必要です。
・排気ガス、タバコ、石油に含まれます。
・高血圧や腎機能障害、骨軟化症、貧血、神経過敏などを引き起こすと言われています。
■ ヒ素


ヒ素は、有機ヒ素と無機ヒ素があり、無機ヒ素の方が毒性が強いと言われています。ひじきなど、海藻類から摂取されるヒ素の多くは大部分が有機ヒ素化合物として含まれているため問題はないと言われていますが、過剰摂取には注意が必要です。
ヒ素は体内に侵入後、数年してから慢性ヒ素中毒が発生するといわれています。
・魚介類、海草類(ヒジキ)、残留農薬、殺虫剤に含まれます。
・嘔吐や下痢・便秘、手足のしびれ、皮膚の色素沈着、皮膚ガンなどを引き起こすと言われています。
■ ベリリウム


ベリリウムはその丈夫さと軽量性で、金属加工業界でおなじみの材料となっており、ベリリウムへの曝露は頻度が高いにもかかわらず、その危険性は多くの産業であまり認識されていないといわれています。
ベリリウムは少量でも有毒で、ベリリウムの粉塵または蒸気に曝露した人は、死に至る場合もある慢性ベリリウム症を発症する可能性があります。
・汚染された大気や電気機器に含まれます。
・呼吸困難、疲労感、DNAの複製阻害、肺ガンなどを引き起こすと言われています。
■ アルミニウム


アルミニウムは、軟らかく軽い金属のため、その用途は広いです。私たちの生活では、アルミ缶、アルミホイル、食品の包装などに利用されており、おもに保存容器から摂取する機会が多いです。
また、食品添加物であるミョウバンの中にはアルミニウムイオンを大量に含んでいるものがあるので注意が必要です。
・調理器具、アルミ缶、べーキングパウダー(ミョウバン)、アルミホイル、歯磨き粉などに含まれます。
・食欲不振、胃腸障害、喘息、アレルギー、皮膚炎、またアルツハイマー症候群などの精神障害を引き起こす場合があると言われています。
3.有害ミネラルの解毒・排出を促す栄養素
有害ミネラルの多くは、便や尿から排出されると言われています。
ここでは、有害ミネラルの排出を促してくれるデトックス(解毒)作用のある栄養素をご紹介します。
システイン


システインは、システインは人間の体の中に多く含まれるアミノ酸のひとつで、毛、皮膚、爪などの材料になる成分です。
体内の有害物質を無毒化する働きがあることから水銀や鉛などのデトックスサポートに期待が寄せられています。ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。またこの成分は、美白サプリに用いられることの多く、シミやそばかすに働きます。
システインを含む食べ物
魚介類、卵、赤身の肉、牛乳、大根、にら、玉ねぎなど
メチオニン
メチオニンは、メチオニンは食品から摂取しなければならない必須アミノ酸の一つです。
メチオニンは、肝臓の老廃物や毒素を体外に排出して代謝をサポートする働きがあり、FDA(米国医薬品食品局)でも水銀など重金属を排泄する成分として注目されています。
メチオニンを含む食べ物
鶏肉、牛肉、羊肉、牛乳、乳製品、納豆、豆腐、ナッツ類など
セレン
セレンは、セレンも生命の維持に不可欠な必須ミネラルのひとつです。強い抗酸化力で細胞ダメージを守り、有害金属と結合して毒性を消すという働きを持っています。
藻類、魚介類、肉類、卵黄などに豊富に含まれており、バランスの良い食事をしていれば不足することはほとんどありませんが、最近は食生活の偏りなどで十分に摂れていない場合もあります。
セレンを含む食べ物
ナッツ類、赤みの肉、レバー、チーズ、卵、牛乳、ねぎなど
抗酸化成分


水銀は細胞を酸化させるため、抗酸化作用のある成分がおすすめです。
ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、ベータカロチン、レスベラトロールなどがあります。
抗酸化成分を含む食べ物
レモンやアセロラなどの緑黄色野菜やフルーツ、ナッツ類、緑茶など
整腸成分
有害ミネラルや毒素の排出には、しっかりと宿便などの老廃物を排出できるよう、腸内環境を整えることも重要です。
腸内バランスを整える栄養素
乳酸菌などが入っている発酵食品、野菜などに多く含まれる食物繊維がおすすめ。
腸内の乳酸菌を増やすためには、生きて腸までたどり着くことができる乳酸菌の入った食品、ヨーグルトやチーズ、キムチ、漬物を摂ったり、腸に生息する乳酸菌のエサとなる成分、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖や食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。
腸内デトックスを助ける栄養素
腸内デトックスを助ける成分は、ミネラル、ハーブなど様々です。食事でとる成分というよりは、頻度を決めてサプリメントを活用している方が多いです。
カスカラサグラダ、スリッパリーエルム、イエロードックなどのデトックスハーブ、マグネシウム、活性炭、酵素
その他、クロレラ、亜鉛なども解毒効果が期待できます。
有害ミネラルの排出を助ける栄養素も、毎日の食事でバランスよく補うことが理想ですが、難しい場合はサプリメントの活用もおすすめです。
4.まとめ
摂りすぎたり、上手く排出できず蓄積してしまった有害ミネラルは、私たちの身体にさまざまな悪影響を及ぼします。ただ、いくら気をつけても日常生活の中で有害ミネラルを完全に避けることは難しいと言われています。
その為、体に入ってきた毒素を積極的に排出できる体づくりが大切です。デトックス成分を積極的に摂り入れて、毒素をスッキリ排出できる体づくりを目指しましょう。