乳酸菌の基礎知識
最終更新日:2020-11-20
「乳酸菌」といえば、腸に良いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。乳酸菌は腸内環境を整えることはもちろんですが、お腹の調子を良くすることで免疫力アップに繋がったり、花粉対策、脂肪燃焼にも期待されています。今回は、この乳酸菌の基礎知識を解説していきます。


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乳酸菌は腸を整えるだけでなく、様々なメリットがあります。
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1.そもそも「乳酸菌」とは?


乳酸菌とは、糖を分解して乳酸を生成することでエネルギーを得る細菌の総称です。乳酸菌の種類は200種類以上にもなり、人間の腸内にすみつくことができる細菌で、チーズやヨーグルトなどの発酵食品に多く含まれています。
人間の腸内には、100兆個以上の腸内細菌が存在しており、その様子が花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。乳酸菌はこの腸内フローラのバランスを整えることで、腸内環境をサポート、下痢や便秘対策に人気です。
2.乳酸菌の種類について
腸内フローラには、乳酸菌やビフィズス菌などの健康に貢献する「善玉菌」と呼ばれる微生物と、反対に免疫機能を低下させたり、便秘や下痢を引き起こす「悪玉菌」が存在します。


この悪玉菌の繁殖を抑え、善玉菌が優位な状態を保つように腸内菌のバランスを取る役割を乳酸菌が担っています。
善玉菌が優位な状態にするには、「善玉菌を摂取」するか「善玉菌を増やす成分を摂取」する必要があります。つまり、乳酸菌を積極的に摂ることで、善玉菌を優勢にできます。
3.乳酸菌の種類について
乳酸菌には「動物性」と「植物性」の2種類があります。「動物性乳酸菌」はヨーグルトやチーズに含まれている乳酸菌で、「植物性乳酸菌」は味噌やぬか漬けなどに含まれる乳酸菌です。発酵過程は一緒ですが、動物性食品を発酵するのか、植物性食品を発酵するのかによって腸への到達の仕方や働きかけが異なります。
【動物性乳酸菌】


動物性乳酸菌は、動物の乳など栄養豊富な環境下で生まれた菌です。ヨーグルトやチーズなどは、動物性乳酸菌を手軽に摂取でき、さらに良質なタンパク質やカルシウムも含まれています。
【植物性乳酸菌】


醤油、味噌、漬物に由来する植物性乳酸菌は、菌が強いことが特徴です。植物には、気候条件が厳しく、栄養源に乏しい環境下でも生き抜くことができるタフさがあります。
乳酸菌は人それぞれ体に合うものが異なるため、目的に合わせた乳酸菌を摂りいれ、自分の体に合いそうなものを続けていくのがおすすめです。複数の乳酸菌を同時に摂っても問題はありませんので、毎日継続して摂取するようにしましょう。
ただ、乳酸菌は多ければ多いほど良いというわけではありませんし、食べすぎはエネルギー過剰や栄養バランスの乱れに繋がるため、気を付けましょう。
4.乳酸菌がもたらす嬉しいこと


整腸作用
お腹の中に悪玉菌が増えることで、便秘や下痢になってしまいますが、乳酸菌を摂ることによってお腹の中に善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
内臓脂肪の低減
乳酸菌の種類のひとつであるガセリ菌には内臓脂肪の蓄積抑制の働きがあります。
血中コレステロール低下
乳酸菌によるプロバイオティクスの働きによって生まれた酵素が、コレステロールをサポートしてくれます。コレステロールや中性脂肪が溜めると血管が固くなり、弾力性や柔軟性がなくなり動脈硬化にの原因となりますが、コレステロール値を下げることでそういった病気を防ぐことができます。
免疫力サポート
乳酸菌を摂ることで、免疫機能が活性化され、免疫細胞のひとつであるNK細胞の働きを高めてくれます。また、腸内で悪玉菌が作り出す毒素によって生活習慣病やその他の病気の原因となりますが、乳酸菌が悪玉菌の増殖を抑えてくれるため、免疫力を高める事ができます。
花粉対策
善玉菌である乳酸菌を増やすことで、腸内環境を整え、免疫機能を活性化させることにより、免疫の異常反応で起こっている花粉症を改善してくれます。
ダイエット
乳酸菌は小腸で脂質や糖質の吸収を抑えて排出を促し、余分な栄養の吸収を抑える働きがあるため、腸内環境を整えて代謝をあげます。
5.腸内の乳酸菌を増やす方法
乳酸菌にはさまざまな働きがあることをご紹介いたしましたが、では実際に腸内で乳酸菌を増やすにはどうしたら良いのでしょか。


生きた乳酸菌を含む食品を摂る
腸内の乳酸菌を増やすためには、生きた乳酸菌を含む食品を摂ることが方法のひとつです。生きて腸までたどり着くことができる乳酸菌は「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸内で悪玉菌の繁殖を抑えてくれます。
口から摂取した乳酸菌が、もともと生息している菌と共生できる可能性が低く、一定期間で排出されてしまうため、プロバイオティクスは毎日摂取して継続的に腸に補充することが大切です。
乳酸菌のエサとなる食品を摂る
腸に生息する乳酸菌のエサとなる成分を摂取することの乳酸菌を増やすひとつの方法です。乳酸菌のエサとなる「オリゴ糖」や「食物繊維」は、消化・吸収されることなく大腸まで届き、乳酸菌のエサとなることができます。これらの善玉菌を増やす作用がある成分を「プレバイオティクス」と呼んでいます。
6.実際に摂るべき食品
乳酸菌を増やす方法をご紹介しましたが、では、実際に増やすために食べるべき食品をご紹介します。
生きた乳酸菌を含む食品


ヨーグルト
ヨーグルトの発酵には乳酸菌が用いられています。ヨーグルトの酸味の正体は、乳酸菌が糖を分解して作った「乳酸」です。
チーズ
チーズの発酵には乳酸菌が使われています。チーズには「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」がありますが、製品によって乳酸菌の含有量に大きな差があります。
乳を乳酸菌や酵素で凝固させ水分を除去したもの、またはこれを熟成させた「ナチュラルチーズ」には乳酸菌が生きたまま含まれています。
キムチ
加熱されていないキムチは、保存中にも発酵・熟成が進み、乳酸菌が増えていきます。ただ、加熱すると乳酸菌は死んでしまうため、ご注意ください。
漬物
ぬか漬けやたくあん、しば漬けなどの発酵している漬物には乳酸菌が含まれています。漬物などの「植物由来乳酸菌」は、乳製品などの「動物由来乳酸菌」に比べ、過酷な環境化でも生き抜けることから、強い生命力を持っていると言われています。
乳酸菌サプリ
また、毎日継続的に食品を食べるのが難しいという方は、サプリメントがおすすめです。
乳酸菌のエサとなる食品


オリゴ糖を含む食品【大豆、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、バナナ】
乳酸菌は腸で糖を分解することによって乳酸を作っていますが、オリゴ糖は分解されずに腸まで届くため、乳酸菌のエサとなります。
食物繊維を含む食品【そば、さつまいも、かぼちゃ、たけのこ、納豆、ブロッコリー、しいたけ】
食物繊維は、乳酸菌などの善玉菌の増殖を助けるプレバイオティクスの一種で、食物繊維自体が乳酸菌と似た作用を持っています。


食物繊維サプリ
水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維のどちらもおすすめです。
オリゴ糖サプリ
フラクオリゴ糖とは、玉ねぎやバナナなどの野菜や果実に含まれているオリゴ糖のひとつで、善玉菌のエサとなる成分です。
7.まとめ
乳酸菌の種類と働きなどの基礎知識をご紹介いたしました。乳酸菌は、継続的に使用することで働きかけに期待できますので、毎日気長に続けていきましょう。
また、たくさん摂ったからといって働きかけが期待できるものではないので、100g~200gを目安に栄養バランスの良い食事を心がけましょう。毎日摂取するのが難しいという方はサプリメントから手軽に摂取するのもおすすめです。