ビルベリーとブルーベリーの違いとは
最終更新日:2022-04-08
アンチエイジングや眼精疲労に人気のアントシアニンが豊富な「ブルーベリー」と「ビルベリー」。最近ではサプリメントなどでよく目にする成分でもあるかと思います。今回は、美容や目の健康のために積極的に取り入れたい、ブルーベリーとビルベリーの違いについてご説明します。


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安定した抗酸化成分であるベリー由来のアントシアニンについて、「ブルーベリー」と「ビルベリー」の違いを動画でもご紹介しています。
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1.ブルーベリーとは


ブルーベリーは、ツツジ科の小果樹で、果実が濃い青紫色に熟すことからブルーベリー(Blueberry)と呼ばれています。
野生のブルーベリー果実は昔から欧米で食べられていましたが、 20世紀になってからは、アメリカやカナダ原産の野生ブルーベリーから品種改良が始められ、今日では世界中で広く栽培される果樹です。
粒がふっくらとして果皮に張りがある大粒のブルーベリーといった、私たちが良く目にするブルーベリーは、おいしく食べられるよう品種改良されたものと言われています。
ブルーベリーは、100gあたり約100~200㎎、黒豆やいちごの2~8倍のアントシアニンを含んでいます。
ブルーベリーが「目にやさしい」と言われるのは、このアントシアニンの働きによるものです。
ブルーベリーには、様々な種類があります。一般的に流通しているブルーベリーでは、ローブッシュブルーベリー<ハイブッシュブルーベリー<ラビットアイ<ワイルドブルーベリーの順でアントシアニン含有量が多いと言われています。
■ ブルーベリーに含まれる栄養素


ブルーベリーには、アントシアニンの他、ビタミンや食物繊維が含まれています。
生ブルーベリー100g当たりの栄養素の量を見てみましょう。
エネルギー: 48キロカロリー
水分: 86.4g
たんぱく質: 500mg
脂質: 100mg
食物繊維: 3.3g
カリウム: 70mg
βカロテン: 55μg
ビタミンE: 2.3mg
アントシアニン: 100~200mg
2.ビルベリーとは


ビルベリーは、低木のブルーベリーの一種で、ワイルドブルーベリーの仲間。果肉の見た目も私たちの知っているブルーベリーとほとんど同じです。
ビルベリーは元々、フィンランドやノルウェーなどの、日照時間が長い北欧で自生する野生ブルーベリーのため、太陽光に当たる時間が長く、紫外線から実を守るための色素「アントシアニン」が他のブルーベリーに比べて多いのが特徴です。
アントシアニンが豊富に含まれるビルベリーは、眼精疲労の回復や糖尿病性網膜症の予防だけでなく、メタボ改善や血液サラサラ効果などが期待されています。
ビルベリーが、「目によい」と注目を集めたのは、英国空軍の優秀なパイロットが出撃前にこのビルベリーのジャムを食べていくと、「暗がりでも敵機がよく見える」と発言したことがきっかけと言われています。
ビルベリーの果肉は、食用に改良されたブルーベリーに比べて、小粒でつぶれやすく、強い酸味があります。その為、原産地の北欧でも生のビルベリーはあまり食べられず、ほとんどがジャムやジュース、ドライフルーツにされると言われています。
■ ビルベリーに含まれる栄養素


ビルベリーもブルーベリーの一種ですが、ビルベリーは15種類ものアントシアニンを含んでいます。さらに、ビルベリーの果実にはミネラルの一種である亜鉛とマンガンが他のベリー類に比べても豊富に含まれています。
亜鉛は、体内で鉄の次に多いといわれるミネラルで、生きるために不可欠な酵素の材料になったり、細胞の生まれ変わりを促進したりと様々な働きがあります。
また、ビルベリーの葉には、カテキンなどのポリフェノールがたくさん含まれており、ドイツでは医薬品として使用されているようです。
3.ビルベリーとブルーベリーの違い
ここでは、ビルベリーとブルーベリーの違いをまとめています。
■ 栄養素の違い


ビルベリーとブルーベリーの違いは、木の見た目なども挙げられますが、気になる違いは、やはりその果肉とアントシアニンの含有量にあると言われています。
ブルーベリー
ブルーベリーは、生でも食べやすい味をしており、アントシアニンだけでなく食物繊維も豊富に含んでいます。
ビルベリー
ビルベリーは、亜鉛やマンガンといった豊富なミネラルの他、15種類ものアントシアニンを多量に含み、その量は普通のブルーベリーの約2~5倍と言われています。
ビルベリーはそのアントシアニンの多さから、サプリメント成分としても人気があります。
■ 食べ方の違い


ブルーベリーとビルベリーは同じベリーでも味や食べ方に違いがあります。
ブルーベリー
ブルーベリーの食べ方で、日本でも人気があるのはジャムと生ブルーベリー、冷凍ブルーベリーですね。その他、ソースやスイーツに入れたりなど使い道も豊富です。
特に、新鮮なブルーベリーはそのまま食べるのがおすすめ。ブルーベリー本来の甘酸っぱい味わいを楽しむことができますし、皮ごと食べられるので手間もかかりません。
アントシアニンを豊富に含むため、朝食用のフルーツとしてもおすすめです。
国産のブルーベリーの旬は夏で、主要な産地は長野県や群馬県、東京都などの関西地方です。生のブルーベリーを買う際は、大粒でふっくらとしていて、皮が黒色に近く張りがあるものを選ぶとよいですね。
ビルベリー
ビルベリーは、ブルーベリーの一種であっても、甘味はほとんどなく酸っぱい、そして果肉が柔らかく汁が出やすいため、あまり生では食べられません。
ビルベリーの産地である北欧では、生で食べられることもあるそうですが、アントシアニンを多く含んでいる等のことから、一度に大量に食べ過ぎるとお腹を壊してしまう場合もあるようです。
日持ちや食べやすさから、ジャムやドライフルーツ、シロップ漬けにされることが多いビルベリーですが、そのアントシアニンの豊富さから、ヨーロッパでは医薬品としても使用されており、日本でもサプリメントの原料としても人気があります。
私たち日本人には、ビルベリーよりも、冷凍や生、ブルーベリー狩りなどを楽しめる甘いブルーベリーの方が馴染み深いかもしれません。
4.目や体のトラブルを防ぐアントシアニン
アントシアニンは、ブルーベリー類の青紫色の色素に含まれるポリフェノールの一種。
強い抗酸化作用や色素の再合成を助けることから、目や体の健康サポートに人気です。そんなアントシアニンにはどんな働きがあるのか、少し詳しくご紹介します。
■ 眼精疲労・視力サポート


アントシアニンは、目を酷使することで減少する目の網膜にある色素「ロドプシン」の再合成を助けることから、眼精疲労を回復し、視力を改善する働きがあるとされています。
また、アントシアニンは網膜や視神経、毛様体の血流を促す働きがあるため、緑内障の予防にも注目を集めています。
■ 抗酸化作用によるメリット


ブルーベリー類のアントシアニンは、紫外線やストレスなどで体内に作られ、老化の原因となる「活性酸素」を除去する抗酸化作用が、ビタミンCより安定していると認められています。
生活習慣病は、過剰に発生した活性酸素が原因であるといわれるため、アントシアニンは優れた抗酸化作用により、若々しい体や肌を保つアンチエイジングのほか、ガン予防にも期待されています。
■ 血管トラブル予防


アントシアニンが持つ抗酸化作用には、血管拡張や毛細血管の保護、血液中の血小板凝固抑制作用などがあります。
その為、毛細血管のダメージや老化を防いで動脈硬化や血栓症を予防することで、心疾患や脳卒中などの脳血管障害などを引き起こしにくくなる働きにも注目を集めています。
このような働きから、アントシアニンは脳血管障害などの医薬品の成分として、ヨーロッパでは使われています。
その他にも、アントシアニンには体内のコラーゲンを安定させる働きも報告されています。
アントシアニンは短い時間のうちに効果が消えてしまうので、いっぺんにたくさん摂るより、毎日こつこつ続けて摂ることがすすめられています。
5.まとめ
ブルーベリーとビルベリーには、どちらも豊富なアントシアニンが含まれています。甘くておいしいブルーベリーと、アントシアニンが飛びぬけて多いビルベリーにはそれぞれの良さがあり、どちらが優れているとは一概には言えません。
アントシアニンは、毎日続けて摂ることが大切なので、「朝食やデザートにブルーベリーを数個食べる」、「毎日忙しく食事に気を使うことが難しいのでビルベリーのサプリメントを活用する」など、生活スタイルに合わせてブルーベリーやビルベリーを取り入れてみてはいかがでしょうか。